< 意外な一面 > 予め用意されていたであろうものの、ロシア大統領の思いの一つが見えるような気がする場面が12/16会見質疑応答には一点あったように思う。 彼らの懸念のしかもかなり大きな一つが、東方での“安保“なのだ。 単に日本との、その敗戦後の領土問題ではないのだった。 どのような島での「共同」の活動なのか? すべてが今後の事として、中身はまったく分からない。 それでも、今回は「よかった」と思いたい。 いますぐの帰属返還に拘って、すべてを無にしてしまう交渉であってはならない、と考える者からすれば、その点だけでも「よかった」と受け取ることができる。 そもそもが、二国間だけの課題ではないのだった。 千島のたくさんの島の一つひとつは、人が継続して経済活動を展開するような場ではないのだろう、あるとしても、限られているのだろう。・・その海域が、日本にとっての北方、彼らにとっての東方が、・・・遠い将来、「非軍事」化した広大な海域として、しかも国際間、少なくともそれを取り囲む日露加米の四か国で実現できれば、と“夢“を見たくなるほどだ。 ロシア本土での経済活動を強力に推し進めるべきだ。長期の、相手には無論のこと日本にも雇用と再投資の基となる収益を産むインフラ活動を、すべてを一挙にでなくともよい、また民間でできないのであれば国主体の組織でよい、“持続する展望“を双方が堅持できる取組みにすべきだ。 (、ついでながら、年金基金その他の「公金」を、自身がコントロールできない「相場」に投じて半年で数兆円霧消させる愚かしい事を国がやっているが、なぜ、こうした経済・安保その他の意義ある事案しかも、交渉や事業展開の過程で意思を反映させる機会がある案件に投じないのか?) 米国とロシアの狭間、そして共産中国と、三大強国の真ん中で、しかし自立と独立を守ってしかも対等たらんとするには、どのようにするか? こんな国は、他にはない。でも、環境・情勢は異なるが、明治の人達はそれをこなして来たのではないか? ロシアをこちら側に惹き寄せる活動をすべきだ。 むしろ、懸念は、欧米の対ロシアの、日本にとっては意にそぐわぬ“要求”だ。 でも、それに拘る必要などない。彼ら自身が、制裁しながら片方で経済協力しているのだ。まして、アジアには何らの真剣な関心など無く、実際に紛争が生じている地域で共産中国に武器まで「販売」している国もあるのだ・・・得手勝手なものだ。 一般にも自民党の幹部にも「がっかり」などと評する者が居るとのこと、短視眼な政治家にはお引き取り願いたいが、それにしても、こうした者が多いらしいことには「がっかり」させられる。 何事か、成果があったわけではない、全てがこれからなのだろう。評価をいますべきとは思えない。 でも、将来への一つの「結節」であり得たとすれば、今次の“総理”は「よかった」ように映る。 それにしても、プーチンの“素直”さと云ってもよい一面を垣間見るような場面は意外であった。けっして、“敵”に仕立ててはいけないだろう、“政治・外交“として。 貴殿は如何か?