2017年1月8日日曜日

< 本当に代案が無いまま、過ごして来たのか? >

< 本当に代案が無いまま、過ごして来たのか? >
推進派の山下なる元農政官僚が、9月時点でこう書いている
「・・・、トランプ、クリントンのどちらが大統領になっても、大統領がTPP協定の承認を求めて同協定と関連法案を議会に送付することは考えられない。
・・・
日本はどうすべきか
 では、我々はどうすべきか?
 アメリカ抜きの新TPP協定を結ぶのである。EUから離脱したイギリスに声をかけるのもよい。
・・・
いずれアジア太平洋の孤児となったアメリカが、新TPP協定への加入申\請をするかもしれない。
 この場合、新規加入申\請国はすでに加盟している国に要求はできない。既加盟国の要求を飲まされるだけの交渉となる。豪州は新薬のデータ保護期間を5年とするようアメリカに要求するだろうし、自動車の関税撤廃に25年も要するという合意をTPP交渉で飲まされた我が国は自動車関税の即時撤廃を要求すればよい。
・・・
 アメリカにとってこれまで経験したことのないみじめな交渉となる。そのときアメリカはやっと自らの愚かさに気づくに違いない。」(愚かなアメリカが沈めるTPP ; 20160928 CIGS)

シンクタンクと称される一つに掲示されている記事だ。

「イギリスに声がけ」なんていう空想はどうでもよいが、なによりも、米国が後々再交渉してくれなどと云ってくるわけなど全くあり得ない、と思われる。

ごく普通の常識に照らして云えることは、・・・こうだ。
「いずれアジア太平洋の孤児となったアメリカ」になんか米国がなることはない。
 そうなる前に、米国は手を打って、中国が網を張っている東南アジア、中南米から北米カナダ、ロシアシベリアを繋ぐ輪のなかの「もう一つの大国」として生きていくことになるだろう。・・・もし、二国間の交渉を積み重ねる方法だけではウマくは行かない、と気付くや否や。

 その時、日本のことなど眼中にはないだろうことは必定である。

 間違った“空想”から、実効性・有効性のある日本国の将来のための施策が打ち出されることは絶対にない。

なにも、今年になって雲行きが怪しくなったわけではない、当初から米議会の承認が難しい場合があることは、識者が特に反対派の者から繰り返し聞かされてきた、よく知られていた事の一つだ。

代替案が当初から用意されていなければ、すくなくとも並行して用意しつつあったのでなければ、政策策定や対外交渉にあたる者としては失格だろう。

 ただ一つこれしかないなどと勝手に決めつけてかかって、選択肢を考えない者は、役人であれ政治家であれ適格を欠いている。

 早急に、数年どころか少なくとも10年先の“成長戦略”を、その複数のシナリオを打ち出すべきである。

一体、どうするつもりなのか?