2018年6月7日木曜日

< 願望と事実 >

有力全国紙だけでない地方の有力紙も、事実の報道でなく自身の「願望」の表\明のための記事でしかない文言の満ちている、が・・・評論はなんぼ個人の意見の表\明にすぎないと云っても、やはり「公器」を使ってのことであれば、事実関係のその確認の証跡を示す形を採らなければ、左翼だけでなく、右翼保守も同様であることを見逃してはならない!
『・・・
北朝鮮は2003年にNPT(核拡散防止条約)を脱退し、核開発を始めた。06年10月から昨年9月までに6回の核実験を行った。並行して弾道ミサイルの開発を進め、現時点では核の小型化とICBM(大陸間弾道ミサイル)の完成が近いと見られている。金正恩氏の思惑はワシントンに届く核ミサイルが完成すれば、米国は“対等”の立場で北朝鮮に接しなければならなくなるというものだ。
 ここまでに至ったのはオバマ前大統領の「戦略的忍耐」政策による。これは北が核開発計画を放棄するまで「無視を続ける」という無責任極まる政策である・・・』(屋山太郎 2/28静岡新聞)

 オバマの無為無能\は、同意できる事跡がある、・・だから、それはいいにしても、・・

『・・トランプ政権は議会承認を要する要人のポスト624のうち、まだ250程度が未指名だ。米国のジャーナリスト100人が100点満点で評価したところ、12.4点で歴代最下位の評価を受けたという。しかし軍事面だけで評価すれば、この政権はかなりの高得点になるのではないか。ケリー大統領首席補佐官、マティス国防長官、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)と全員将軍で固めている。3人の将軍が揃いトランプ大統領が号令をかければ、軍に関する政権の足並みは揃う。
 17年8月、トランプ大統領はまず「北と交渉する用意がある」と呼びかけだが、北は「火星12号」と呼ばれるミサイルを4発同時発射して答えた。9月には6度目の核実験が行われた。大気圏に再突入する技術が完成したと分かれば、米国はその瞬間に北を攻撃するはずだ。米韓軍事演習は爆撃機や戦闘機が一体となって攻撃体制をとる訓練である。
 これを数十\キロ北に移行すれば、瞬時に北のあらゆる攻撃基地は潰される。文大統領は「自分がいる限り戦争はない」と張り切っているが、米軍の指揮権は米軍が持つ。文大統領は観客の一人にすぎなくなる』(同)

この評論は、『韓国の文在寅大統領が演じた米国と北朝鮮との橋渡しの試みは、まさに無駄花に終わった』と結論から始っているのだが、・・・ほぼ一週間経過しただけだが、そのような結論は、しっくりこない情況にみえる!!
 なぜなら、「よほど深刻な問題」であるからこそ、誰ひとり「オリンピック用に南北合同チームを作った程度で氷解するような問題ではない」ことぐらいは先刻承知の事案で、誰しもが、米朝橋渡しが即上手く行くなどとは思わない、のと「同程度」に、だからといって対話にせよ交渉にせよ簡単には終わらない、と受取るのが常識「的」だと知ってもいる!!

「半島の内部」事案である南北対話の機会を閉ざすようなことは、双方とも絶対にしない、・・・米にせよまして中・露にせよ、その内部事案を押しとどめる理由も理屈も利害も持ってはいない、・・・核放棄には「何らか触れている」ということにしておけばよいだけである、そういう「談合」が十\分に可能\な関係である、という「事実」からは、この評論の内容とはまったく異なって、そのように受取るのが自然だ、と!!

右翼保守の朝鮮についての評論は、ほぼ100%に近いほどに、米が物理的「力」で抑え付けてほしい、それについては中露が手出ししない環境であって欲しい、・・等々の「こうあって欲しい」という「願望」に他ならない!!!・・そのようにしか思われない!

もし、評論するならば、うんと以前から繰り返して申\し述べているように、米国の半島での政治・経済・国際関係上の損益分岐点の分析をしてみせてくれ、素人にはできない、その種の専門的な分析を、経済学者、政治学者、評論家には、是非とも示して貰いたい、・・そういう評論家や思想家が現れて欲しい、と願望するものである