ある意味で興味深い記事を看掛けた、経済産業研究所なる機関の藤という研究員の記事(日経4/14)には、こうある、・・ 『・・・サハリンの天然ガスは、1980年代に日本とロシアの共同事業によって発見され、エクソ\ンモービルやロイヤル・ダッチ・シェルといった巨大石油会社が事業に参加してきた。天然ガスの現在の可採埋蔵量は約2.4兆立方メートルであり、日本全体の天然ガス消費量の約20年分に相当する。』 それはどんなところに、どのように横たわっているのか? 『・・・サハリン南端のクリリオン岬~稚内間、北海道~本州間の2カ所は海底パイプラインとなるが、大半は国道や高速道路の地下などを活用する方針である。サハリン南端から首都圏までは約1400キロメートルである。 北緯52度、稚内から南端まで最短43キロメートルのサハリン島の約600キロメートルの海岸沿いの浅い海底下に膨大な量の天然ガスが眠っている。津軽・宗谷という2つの海峡を挟んでいるが、ほとんど地続きと言ってもいい。東京からは直線距離で沖縄より近い。』 その日本にとっての意義は何か? 『・・・サハリンなど東シベリアの原油・天然ガスは、開発が遅れ輸送インフラも整備されていないことから、莫大な資源が手つかずのままで残っている。しかも中東地域と異なり輸送距離が短く、シーレーンの確保も比較的容易である。日本の原油・天然ガス輸入に占めるロシアのシェアはそれぞれ1割前後にすぎず、今後その拡大が期待できる。』 旧の通産省なのだろう、ここはいつもちょっと目新しいことがあるとバラ色の絵を描いて喧伝するのが常で、真に受けるわけにはいかないことがある(ような)印象だが、しかし、この種の個人的希望が混在していても、記事内容の精度は確かめようがなくとも、「研究」は大切だと素人ながらに思える。 まったく足りないのは、ロシアの軍事・外交リスクなるものを無視もしくは捨象している点だ、・・・ロシアで商売してきた事業者の中には、「現場」ではともかくも、政治要因がまったく不透明で、共産中国に劣らずかどうかまでは分からぬが、突然継続不能\となる恐れを拭い切れないとの声もあるそうだ(“うわさ”レベルかどうか判断しようがないが)。 それでも、カントリーリスクなる部分は国費を惜しまずという形で構\わない、是非とも手がけるべきだ。 こういうところで、「右翼保守」の「固陋」を排除して実行する政権でなければ、将来の長期の日本の為にならない事は必定である! 還ってくることはない、実効支配している地域でロシア法が施行されない計画などできはしない、・・・むしろ、相手も日本抜きでは難しくなるこの種の環境を築き上げていくことが、その先の50年後100年後にはじめて扉が、戦争以外には、開くかもしれない事案に繋がって行く「かもしれない」程度だ、と覚悟すべきである。 繰り返し申\し上げておくのは、長期のエネルギー政策は、軍事・外交政策そのものである。ありきたりの物言いだが、経済政策とコインの裏表\だ。一部地域に偏ったエネルギー源政策をいつまでも採って外部要因によって「拘束衣」を着せられたような軍事・外交しかできない今の日本を真剣に見詰めて実行すべきである。そういう政治政党や政権を担ぐべきである。 右翼保守や元教授や元外交官の「評論」はいつも「どうする」が欠落しているのは、血道な基礎研究の成果に基づいていないからである、彼らがときに親政権だろうがときに反政権だろうが、ただただ煽動的、煽情的だ。・・・「庶民」が体得しているの真の「批判の眼」とは異質だ。 (20170415)