2020年4月20日月曜日

アベノミクスの「出口戦略」問題の解決方法についてのご提案の評価をご質問といたします。

質問内容の性質上少々長文となってしまいますことお許しください。
アベノミクスの「出口戦略」問題の解決方法についてのご提案の評価をご質問といたします。

数年前より、自民党政権はアベノミクスによる景気刺激策をとってきたわけでありますが、その出口戦略についてはほとんど言及されたことはなく、日銀擁護派の経済学者などからの批判も相次いでいます
彼らの中には残念なことに「パチモン」も存在しますが、一方で経済政策のシステム上の問題として、確かに無視できない意見も存在します。それについての整理と、「出口戦略」問題の解決のご提案について評価をお
願いします。

まず、彼らの主張は、一言で言うとアベノミクスの出口戦略は一定程度国民負担にならざるを得ないと言うことです。(ここでは一般に言われる量的金融緩和政策ではなく、ヘリコプターマネーを含む財政出動、消費税
減税を含めた税制面での政治的理想論も含まれます)

具体的には、国債発行額増加による利払い費増はデフレの経済状況下では量的金融緩和と日銀からの利子収入払い戻しによって統合政府としての利払い費減額が可能\であるが、バブルの恐れが高まった際に金融引き締め
を行う際、逆に、(利上げ分の金利×膨張した日銀当座預金額)分の利払いが発生してしまい、財政状況が非常に不安定になってしまうということです。(これには日銀当座預金額の膨張下では超過準備金に対してプラ
ス金利をつけることでしか金融引き締めを行えない、という前提があるようです)そしてその結果、日銀のバランスシートが赤字化し、国庫に対する払い戻し金額がすっかりなくなってしまうか、あるいは国債の売却に
よってマネタリーベース縮小を図るか(その結果として利払いは国庫負担となり、国債の金利も上昇し、新たに国債を発行することがコストとなってしまいます)しか無くなると言うのです。つまりは、何らかの形で統
合政府から銀行への所得移転の必要性が発生し、政府のサービスが低下せざるを得ないというわけです。中には、統合政府の利払い費増加→インフレ・円安→利払い費増加というインフレスパイラルによってインフレ率
を正常値に抑えられなくなると主張する人もいます

少し単純化して要点をまとめますと、
1. アベノミクスはデフレ下では問題ない
2. バブルの危険性が高まったとき、マネタリーベースの過剰な現状では政策金利の利上げでは不十\分である=超過準備金の部分にプラス金利を必要とする
3. 結果として国民生活に有害なレベルのインフレや円安が発生するか、国庫への日銀の払戻金減額が発生するかで国民負担が増加する
4. 自民党は経済政策の「出口戦略」を示すべきだ

ということのようです

これについては、いうまでもなく「現在のような過剰にマネタリーベースが膨張している状況下では、超過準備金に対するプラス金利付与でなしに金融引き締めを行えない」という前提がネックとなっております。これ
については政府紙幣の発行+日銀への投入により解決するという手段も考えられますが、資産の偏った配分による国民負担の増加のリスクは避けられないでしょう。

アベノミクス否定派の学者たちはどうもこのような理論で批判を行っているようです。そこにさらに構\造改革や移民受け入れ増加、イノベーション等のありきたりな主張を行い、政府の政策を迷走させているようです。

そこで、ご提案があります。金融引き締めのやり方=アベノミクスの「出口戦略」は、「日銀当座預金の準備金に対するマイナス金利」によって行うと宣言してしまうのはどうでしょうか。
具体的な計算式としては、

(貸出金利の下限)=(超過準備金に対する金利分の補正)+(準備金比率)×(準備金に対するマイナス金利の絶対値)

となります。また、準備金全てではなく、この間のマイナス金利のように準備金を二分割し、「これまでの準備金」と「増額分の準備金」に分け、増額分の準備金のみにマイナス金利をかければ精密な金利調整が可能\で
しょう。

こうすれば金融引き締めによるバブル回避も可能\ですし、統合政府の利払い過剰も起きません。インフレは抑制可能\ですし、同時に円安も回避できます。いくつか問題があるとすれば低インフレでも資産額の多い高所得
者が金融資産を買うようになり中所得者層と高所得者層との間に格差ができやすいことと、低所得者層にはインフレが残酷であるということです(もしかしたら銀行間取引の正常化のために若干の超過準備金に対する金
利の増額が必要になるかもしれませんので、そこも一部問題ではありますが)

とはいえ現状、二人以上世帯の30%以上が貯金ゼロであり、独身世帯だと45%を超える世帯が貯金ゼロであるようです。つまりは貯金がないほどに貧しい方(年収が高いがゆえに貯金がない人もいるようですが)は実
質賃金さえ上がればインフレの被害は回避可能\ですし、高所得者層のインフレ被害回避に関してはキャピタルゲインに対する課税強化・中・低所得者層への再分配で対処できます。問題は中所得の、それも比較的年齢が
上の人たちですが、これについては定年後の再就職のキッカケにつなげることを考えるしかありません(これは人手不足対策にもなります)。つまり、資産価値の実質的低下は織り込み済みで実質賃金上昇を目指すとい
う姿勢を明確にするのです

これを利用すれば統合政府の利払い費を理論上永遠に削減できますので(過度な債務創出は好ましくはありませんが)、実質的な政府債務の拡大が問題になることはありません。つまりは将来的な利払いの問題を回避で
きるために財政拡大・減税はやりやすくなりますし、財政問題を喧伝し、増税や歳出削減を主張する勢力に対して有効な反論が可能\であるように思います。そうなれば無人コンビニ・スーパーやAIの活用・開発、その他
の労働生産性向上のための助成金への政府の財布の紐も緩み、消費税撤廃・キャピタルゲインへの課税強化により逆累進的な税制も改善でき、企業の預金増加も防ぐことができるのではないでしょうか。

以上です。この政策についての評価をお願いします。長文失礼しました。