2016年9月11日日曜日

(払拭すべき固定観念 #3;短視眼な屁理屈改悪税制)

(払拭すべき固定観念 #3;短視眼な屁理屈改悪税制)
 直近の改正税制の中には、どこまで国民をコケにする気か?と思わせるものがある
芸能\人や政治家の採るに足らないゲスなスクープなるものに熱狂する国民のことだから、何も知らないし判りはしない、とエエ加減にあしらって措けばよい、程度の認識だろうか

試験研究費税額控除の繰越控除を廃止したのだ
その理由がこうだ、・・
「(イ)税額控除の限度超過額を繰り越せるとしても、翌年度の法人税額によってはメリットが生じないことを考えれば、研究開発投資の誘発効果は必ずしも大きくないと考えられること、(ロ)現行税制において、税額控除に加えて、限度超過額の繰越しまで認めている例は少なく、他制度とのバランスをとる必要があること、(ハ)適用実態が一部企業に偏っており(平成25年度租税特別措置の適用実態調査によれば、上位10社の適用額が全体の9 割弱)、公平性の観点から望ましくないこと、などを勘案して、」
 何と馬鹿げていることか!
 「翌年度の法人税額によってはメリットが生じないことを考えれば」などということを持ち出すのであれば、繰越どころか抑々の税額控除について「“当年度”の法人税額によってはメリットが生じないことを考えれば誘発効果はないので制度自体を否定する」と言わねばならない
 他方では税金を納めているのは一部の僅かな大企業だ、として赤字(単年度欠損金計上)企業にも事業税を重課せよ、とも云われているのではないか、もしそうならば、その一部の大企業の支援税制に過ぎないのか、と共産党員並みの批判を正当化することになる

研究・開発(会計)と試験研究(税制)とは同一ではないのだろうが、しかし、将来の収益及び雇用を生み出す“種まき“として、単に個々の事業者にとってだけではない、社会総体としてとてつもない重い意義を担った活動だ
当年度や翌年度などという目先のことではなくて、将来に亘ってその効果を発揮することを目論んで損失発生のリスクを覚悟して行われる活動で、その成果の収穫は将来である、従って、その結果としての将来の税額の増大に繋がることを本質とする活動だ
しかも、赤字企業ならば、その控除可能\な税額が産まれるまで実質的には財政負担が生じないのだろうし、むしろ、製造業偏重の控除対象を例えば流通業ほか他の産業の自己革新活動をも対象にできないかなど工夫すべき余地のある将来志向の重要税制ではないか
これに係る税制上の配慮は、単なる景気対策としてイジクリ回す対象にしてはならないものだ

この将来の社会の存立基盤の“強靭化”の基礎活動を阻害する改悪をなぜ容認しているのか?
 国会の“先生方”には会計士・税理士として顧問先から“せんせい”と呼ばれて居る者もいるだろうに!?