2015年8月29日土曜日

脇先生との対談を、先ほど全て拝聴致しました。脇先生ほどの方が会派離脱を

脇先生との対談を、先ほど全て拝聴致しました。脇先生ほどの方が会派離脱を決断されたと言うことについて、自民党はもっと重く受け止めねばならないと思いますが、そう思っておられる議員の方々は、きっと極一部なのではないかという気がしてなりません。

この点は、頭がすっきりしている時に、また機会を改めて質問させていただこうと思いますが、今日は、先週の西田先生の一問一答で取り上げられていた新幹線にかんして、脇先生との対談の趣旨も踏まえて、質問させていただきます。

私は、基本的には西田先生のお考えに賛成です。新幹線やリニアを活用して新しい国土軸を作っていくことは、極めて有益だと思います。しかし、同時に思うことは、「何故、新幹線が開業すると、それに並行する在来線が第三セクター化されるのか」ということです。長野新幹線以来、第三セクター化することが定番となっていますが、これではむしろ、地域の利便性は低下するわけです。

言うまでもなく、新幹線は「地域の足」ではありません。もちろん、新幹線が開業すれば、観光客が増えたり、企業を誘致しやすくなったり、地域への経済効果は大きいわけですが、だからと言って、JRと乗り継げば運賃が割高になり、今までは必要のなかった乗り換えを強いられるのでは、日常的によいことは何もありません。

「今までは、特急の走る幹線であったけれども、新幹線が開業すれば普通列車しか走らないローカル線になってしまうから切り分けてくれ」というJR側の要求なのでしょうが、「こういうことで本当に国土軸が守れるのか」「地方創生の考え方に逆行するのではないか」という気がして仕方がありません。

「そもそも論」を持ち出せば「国鉄分割民営化の方法はこれでよかったのか」という疑問に行き着きます。もちろん、国鉄の赤字体質があのままでよかったわけではありませんが、だからと言って、ただ地域ごとに分割したのでは、国土全体の鉄道網整備のあり方について考える大きな視点が欠けてしまいます。今のJRは、それぞれの利益ということは考えても、大きな視点が欠けているのではないでしょうか。

加えて、大都市や新幹線を抱えて黒字な会社と、ローカル線が多い上に自然が厳しく保線の費用も膨大な会社と、どう考えても体力に大きな差があります。そして、それは最初から予想できたことなのですから、もしも今のような分け方にするのであれば、何らかの工夫をしておくべきだったでしょう。

例えば、貨物も含めたJR7社の上に、緩やかにJRを束ねる上部組織を作っておいて、そこが国土全体の鉄道網整備について大きな視点から計画を立案するとともに、大きく収益を上げた会社からは利益を吸い取り、努力しても厳しい会社にそのお金を配分するというような仕組みがあってもよかったはずです。

大赤字を出して、多額の税金が投入された国鉄のようではいけません。しかし、だからと言って、鉄道は大切なインフラであり、国土軸を構成する重要な要素であるという視点を欠いてもらっても困ります。そういう視点があれば、「新幹線が開業したら在来線は切り分ける」という発想にはならないように思います。

そういう意味で、構造改革路線へ大きく舵を切った、その入口の時期に実施された国鉄分割民営化の功罪を一度総括し、改めるべきは改めた上で、今後の鉄道網整備の計画を立てるべきだと思うのですが、西田先生は如何お考えでしょうか。